2025/10/30

歎異抄

第一条 冒頭の一節

 
 あるとき、親鸞さまは、こう言われた。

 すべての人びとをひとりのこらずその苦しみから救おうというのが、阿弥陀仏という仏の特別の願いであり、誓いである。

 その大きな願いに身をゆだねるとき、人はおのずと明日のいのちを信じ、念仏せずにはいられない心持ちになってくる。そして「ナムアミダブツ」と口にするその瞬間、わたしたちはすでにまちがいなく救われている自分に気づくのだ。

 この阿弥陀仏のたてられた誓いに、差別はない。その約束は、老人にも若者にも幼子にもなんの区別なく、また世間でいう善人、悪人にも関係がない。ただ一つ、ひたすら信じる心こそ大事なのだとしっかり心得なさい。

 阿弥陀仏の本願というのは、この世で悩み苦しみ、そして生きるために数々の罪を犯しているわたしたちをたすけようという、真実の願いからたてられた約束である。

 その約束を信じるならば、ほかのどんな善行とよばれるものも必要ではない。念仏、すなわち仏の誓いを信じその願いに身をまかせてナムアミダブツととなえることこそ、究極の救いの道だからである。

 自分の愚かな心や、邪悪な欲望や、犯した罪の深さに怖れおののくことなどないのだ。阿弥陀仏のちからづよい願いと誓いのまえには、その光をさえぎる悪などありはしないのだから。


五木寛之 訳「歎異抄手帳」(東京書籍)より

 

2025/10/27

速音読チャレンジ



レッスン冒頭の1分間を使って、漱石、賢治、太宰、ニーチェ、ドストエフスキー、シェイクスピア、寿限無、うゐろう売りなどの名作の書き出しやクライマックスの「速音読」にチャレンジしています。

声に出して速く読むことで、脳が活発に働き考える速さ・記憶する力・集中力が高まります。また、自律神経が整い、気分がすっきりして、テキパキ話せるようになるなど、さまざまな効果が期待できます。

名文を声に出して読むことで、日本語の豊かな表現や文体のリズム、言葉の力を感じ取ってほしいと思います。


2025/10/25

音読筆写


 
「音読筆写」とは、文章を声に出して読みながら書き写す学習法です。読む・聞く・書く・見るという複数の感覚を同時に使うことで、英語の語順や文のリズムが体にしみ込みます。

意味を理解しながら声に出すことで、ただ書くだけよりも記憶に残りやすく、発音やスペリングの定着にも効果的です。
さらに、実際に文字を書く練習を重ねておくことは、入試や英検などでの要約問題・英作文問題においても大いに役立ちます。

浦和英語塾ではこの音読筆写を「基礎マスター(入門レベル)」の課題の一つとして取り入れ、基礎力の定着を目指しています。