That's why we come to this place. We stand here, in the middle of this city, and force ourselves to imagine the moment the bomb fell. We force ourselves to feel the dread of children confused by what they see. We listen to a silent cry. We remember all the innocents killed across the arc of that terrible war, and the wars that came before, and the wars that would follow.
【解説】
We force ourselves to imagine ~ と We force ourselves to feel ~ は SVOCの第5文型。第5文型の文には直接日本語に対応する表現法がないので機械的に訳すことは難しい。
この第5文型について,伊藤和夫は『英文解釈教室(研究社)』の中で次のように記しています。参考のために書き留めてことにします。
第5文型の文を考えるにあたって第1の要点となるのは,S+V+O+Cの OとC の間に SとP(=Predicate 述語)の関係がかくれていることである。(中略) 第5文型の文は,前のSVとかくれたSPとがぶつかるところに生ずる構文である。両者がぶつかれば当然火花がちることになるが,この火花の色を決めるのはSVのVである。
第5文型の文に共通な第2の特徴は,このVの意味が基本的には2つの中心的な意味のどちらかになる点にある。第3文型の動詞の意味は千差万別としか言いようがないが,第5文型の場合は,①OがCであると,Sが考える[知る]。②OがCである状態を,Sが生じさせる。という2つの意味が基本であり,これが動詞の具体的意味と場面によって種々の意味に染め変えられてゆくのである。
実は,force という動詞は②のパターンをとるのですが,これをあてはめれば,We force ourselves to imagine[feel] ~ は,「私たち自身が~を想像する[感じる]状態を,私たちが強いる」となります。日本語訳を求められれば,より自然な日本語を考えることになります。
また,一般に 強制や許可を表す動詞(allow, cause, compel, drive, enable, encourage, forbid, lead, leave, oblige, permit)は,「~を仕向ける」という意味で考えてもよい場合が多いのです。
「私たちは,私たち自身を仕向けて,~を想像する[感じる]」というように英文を左から右へどんどん読み解いていってかまいません。
【訳】
だからこそ私たちはこの地にやって来ます。私たちはここ,この都市の中心に立ち,原爆が落ちた瞬間を想像してみるのです。目にする光景に当惑した子どもたちの恐怖を感じてみるのです。声なき叫びに耳を傾け,あの一連の恐ろしい戦争と,それに先立つ戦争と,後に続いた戦争で亡くなったすべての罪なき人々を思い起こすのです。