2024/10/18

「文武両道」の本当の意味


養老孟司「バカの壁」より 

「学習」というとどうしても、単に本を読むということのようなイメージがありますが、そうではない。出力を伴ってこそ学習になる。それは必ずしも身体そのものを動かさなくて、脳の中で入出力を繰り返してもよい。

ところが、往々にして入力ばかりを意識して出力を忘れやすい。...

江戸時代には、朱子学の後、陽明学が主流となった。陽明学というのは何かといえば、「知行合一」。すなわち、知ることと行うことが一致すべきだ、という考え方です。

これは、「知ったことが出力されないと意味がない」という意味だと思います。これが「文武両道」の本当の意味 ではないか。文と武というものが並列していて、両方を習熟すべし、ということではない。両方がグルグル回らなくては意味が無い、学んだことと行動とが互いに影響しあわなくてはいけない、ということだと思います。