身を正すとは、自分の身から虚飾を排することだ。孤立を恐れず、まっすぐ歩きなさい。自分を信じ、誇り高く、胸を張って歩きなさい。道で出会う弱い人には手を差し伸べなさい。相手と同じ痛みもつことはできなくても痛みを少しでも共有する人間になりなさい。相手の気持ちに寄り添い、感情を同化させる心の揺らめきを、日本の古い言葉では「あはれ」と言う。「あはれ」を促音化し、意味を強めたのが「あっぱれ」という言葉だ。長く続く道を愚直に、てくてくと歩きなさい。自分を信じて、あっぱれな道を歩む正義の人になりなさい。渡辺憲司「海を感じなさい――次の世代を生きる君たちへ」より