外国語の勉強をすると、自国語への意識も高まるものです。日本語にはないけれども、英語では重要なのが強弱(ストレス)です。アクセントをどこに置くかで意味が違ってきます。tissue という言葉は日本ではティッシュペーパーがまず思い浮かぶかもしれませんが「(生物の身体の)組織」のほうが大きな意味です。brain tissue の brain のほうにストレスを置けば「脳組織」という意味になりますが、tissue ほうを強調すれば、「脳のような薄い紙 ??」という意味不明な言葉になってしまいかねません。日本語でも使われる cat food も cat にストレスがあれば猫缶などのキャットフードですが、food を強調すれば「猫を使った食べ物」で、猫を食べることになってしまいます。
(集英社クオータリー2019年春号「日本人と英語」より)