2022/09/08

左から右へ

聖徳太子は一度に7つの訴えを裁いたと言われる。そこまでゆかずとも,同時にいくつかの想念が頭に浮かぶのは,われわれ凡人でもごくふつうのことである。

しかし,思ったことを言葉に変えようとすれば,一度に多くを述べるわけにはゆかない。言語は左右のひろがりしか持たぬ1本の線であり,1次元の世界でしかない。当然1つずつ順を追って述べることが必要になってくる。

伊藤和夫