伊藤真 著「夢をかなえる勉強法」より一部抜粋
未知の問題が出てきたり、予想外の困難に直面したりしたとき、人はさまざまな方法で対処しようとする。日ごろからそのための方法や処理手順を考えておくのが、いちばんの対策だ。
だが、どんなに頑張ってもダメなときがある。あらゆる手段をこうじても、歯が立たない。もうダメだ。
そこであきらめて投げ出すか、なおも歯をくいしばって頑張るかが運命の分かれ道になる。最後まであきらめないで頑張った人だけが、運命を切り開き、夢を実現することができる。最後まで投げ出さない頑張り、それが「根っこの忍耐力」だ。
「根っこの忍耐力」とは、限界へ挑戦する気力である。限界への挑戦というフレーズは、F1レーサーのアイルトン・セナがよく使っていた。フェンスギリギリまで近づいて、コーナーを回る。スピードも落とさない。しかしそれは死の淵ギリギリまで近づく限界への挑戦である。もう限界だと思っても、あと五センチ、あと四センチ、フェンスに近づき、最短で回る。
限界だと思ってからが挑戦である、とセナは語っている。結局、セナは壁に激突して死んでしまったのだが、もうダメだと思ったときからが勝負だという彼の言葉は私の脳裏に焼きついている。勉強はその「根っこの忍耐力」をつけるためのトレーニングになる。たとえば、もうダメだと思ってから、あと一問解くとか、もう読めないと思ってから、さらにあとーページ読んでみる。「根っこの忍耐力」ができれば、素晴らしい力となる。試験の本番で、あと残り時間が一分しかないという場面でも、あきらめず、くらいついて一点をもぎとる。
壁にぶつかったときもあきらめない。最後まで夢を捨てない。究極の意味で自分を高めていく底力となるのだ。