2022/01/22

ツァラトゥストラ


ニーチェをきちんと読んだのは二十代の半ばですが,自分のなかに本当の意味で沁みてきたのは二十六,七歳だったと記憶しています。そのときぼくに聞こえてきたメッセージは次のようなものでした。「君が探している真理なんて,どこにもないんだよ。心理を欲しがっている君がいるだけさ。君は真理を探すんじゃなくて,何が君に心からの悦びを与えてくれるのか,と問わなくっちゃいけない。答えは君自身が見つけなければいけない。自分に向かって問うこと―それしかないんだよ」と。(西 研)