楽しい社会って何なのかということをお話ししたいと思うんですけども、石破総理がですね、施政方針演説の中で、楽しい社会を作るんだと言ったときに、多くの国民が「何訳の分からないことを言ってんの?」と思ったと思うんです。かくゆう私もそうだんたんです。ただここに来て、あらためて思うようになったのは、案外それが正しいんじゃないかっていうことなんですね。なんでかというと、今世の中で何が起こっているかというと、社会を分断して、みんなで弱っている人を袋叩きにするというのを楽しみにしている人が、実は本音では多いんじゃないか。たとえばフジテレビの問題もそうなんです。確かに悪いことをしたのは、ものすごく悪いことをしたんですけど、ただ、じゃ、だからと言って、そこで一部の人たちっていうのをボコボコにすることによって、ストレスを発散するような社会っていうのは、ほんとにいい方向なのかなっていうのを思うわけです。これって世界をみても同じなんですね。社会を分断させて、トランプ大統領が「移民は悪いんだ。あいつらのせいで、世の中がボロボロになっている」。でも、それってね、一面その部分がないわけじゃないんだけど、それが建設的な方向に今動いているのかというと、私はそうではないと思うんですね。そういうことをやって、報復の連鎖みたいのが続いていくとほんとにダメになっちゃう。これ偶然かもしれないんですけど、かつてフジテレビは「楽しくなければテレビじゃない」と打ち出したわけです。当時テレビは本当に楽しかったんです。今のようにぎすぎすした文化じゃなかったので、もう一度ね、どうしたらみんなが楽しい社会、楽しい文化を追求できるのかっていうのを今やっぱり問い直さないといけなんじゃないかなと私思うんですよね。
そういう意味でもね、私はエンターテインメントの果たす役割ってすごく大きくて、私も隅っこでは発言しているんですけど、エンターテインメントって別になんの役にもたたたないわけです。ご飯を食べるという意味では。でもそういう時代だからこそ、楽しめる社会っていうのを作るために大きな貢献ができるんじゃないかなっていう気がして仕方がないですよね。だからほんとに我々何のためにこの世に生まれてきたのかっていうのは、私は人を袋叩きにするために生まれてきたんじゃないだと思うんです。だから世の中に役に立たないものだけに、こういう時代は一番役に立つんじゃないかなというふうに思うんですね。
1月27日 (月) 午後1時〜 文化放送「大竹のもっと言いたい放題」より書き起こしました。ご冥福をお祈りいたします泣