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吉田松陰『講孟劄記』(近藤啓吾 全訳注)
講孟劄記(下)第19章より
゛善の善は至らざるは,熟の一字を闕(か)く故なり。熟とは口にて読み,読みて熟せざれば心にて思ひ,思ひて熟せざれば行ふ。行うて又思ひ,思ひて又読む。誠に然らば善の善たること疑なし。”
今の人が善の善に達することができないのは,「熟」の一字を欠いているからである。「熟」とは,口で読み,読んで熟さないならば心で思索し,思索して熟しないならば行動する。行動してまた思索し,思索してまた読む。このようにして努力を重ねるならば,いつしか「熟」して,善の善に達することは,疑いないことである。
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