気になる言葉を調べて語彙力を増やすことができる。段落ごとに要約しながら,読解力や文章力を身につけることができる。時事問題への関心や興味を喚起することができる。
また,集中する力,継続する力,主体的に行動する力,思考する力などの副次的な効果も期待できる。
一朝一夕にはいかないけれど,基礎学力を身に付けたいのなら取り組む価値はある。
「天声人語」の書き写しノートが発売されて久しいが,今では300万冊を超える大ヒット商品になっている。調べてみると,読売新聞の「編集手帳」用,毎日新聞の「余録」用にと,同様の書き写しノートがあることがわかった。
わざわざ専用ノートを買わなくてもキャンパスノートで十分だし,購読していなくてもネット上で閲覧できるものもある。
・毎日新聞「余録」
手続きなしで無料で読める。
・朝日新聞「天声人語」
無料会員登録をすれば読める。閲覧制限(1日3本)あり。
・読売新聞「編集手帳」
読売新聞の購読料+月額150円
英語力は基礎学力の上に成り立つものなので,塾生にも書き写しを勧めている。天声人語の場合,6段落597文字。 実際に書いてみると30分くらいかかる。
お気に入りのペンとノートブックを用意し,自分なりの楽しみを見つける工夫などして,静寂に包まれた書き写しの時間を体験してみよう。
もし忙しいからというだけで走るのをやめたら,間違いなく一生走れなくなってしまう。
走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど,走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。
僕らにできるのは,その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。
村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』 より