2016/11/01

ロマンチックな仕事

 
「ウイスキー造りを僕が好きなのは、それが本質的にロマンチックな仕事だからだ。僕が今こうして作っているウイスキーが世の中に出ていくとき、あるいは僕はもうこの世にはいないかもしれない。しかしそれは僕が造ったものなんだ。そういうのって素敵なことだとは思わないか?」
ボウモア蒸留所 マスター・ディスティラー(1997年当時)
ジム・マッキュアン氏


親が子へ、上司が部下へ、先輩が後輩へ、教師が生徒へ伝えることも、すぐに答えが出るものではありません。頭では分かっていても、ついその場で結果を求め、必死に言い聞かせようとしてしまうこともあります。
 
しかし、僕らの仕事もジムと同じように、ロマンチックなものなのです。ときには鷹揚に構え、見守る姿勢も大切です。いつかきっと報われるときが来るでしょう。
 
ジム・マッキュアン氏はその後、2000年に52年間勤めたボウモア蒸留所を離れ、同じアイラ島にあるブルイックラディ蒸留所の再建に尽力しました。そして昨年、2015年に引退しました。